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2007北海道ツーリング 3日目 2007/07/23  89.08km  北海道
ポロトコタン
ルート地図
【コース】
室蘭ユースホステル〜トッカリショ〜地球岬
〜鳴り砂海岸〜R36〜登別〜ポロトコタン
〜r781〜苫小牧市サイクリングターミナル
【天気】曇り 【所要時間】8:30〜17:50
【走行時間】5時間04分
【平均時速】17.51km/h 【最高時速】52.6km/h



地球岬を目指す

 携帯電話のアラームで目覚める。冷房も扇風機もない部屋だが、夜はかなり冷え込んだようで掛け布団をしっかりとかぶっていた。 カーテンを開けると朝陽に照らされキラキラと輝くイタンキ浜が見える。今日も天気は良さそうだ。 食事、睡眠の時間以外をほぼ自転車の上で過ごす生活にも慣れてきた。健康的な生活のリズムが心地良い。

 ユースホステルで朝食をとる。食堂は意外に広くその真ん中あたりのテーブルに数膳分の食事が用意されており、 昨日チェックイン時に見かけた大リュック青年が茶碗にご飯を盛り付けていた。
昨日は挨拶を交わすこともなかったのだが、さすがに一緒のテーブルで飯を食うのにずっと無視ってのも気まずいわな、ということで当たり障りのない会話を交わす。 昨日大リュックを目にしていたのでてっきり登山派かと思ったら鉄道派でした。言われてみればそういう雰囲気か?
 でもしっかりとした会話ができる子でしたね。結構旅慣れしている感じ。食後にお茶をついでくれたのが気に入った。

室蘭ユースのある丘陵
室蘭ユースのある丘陵
朝のイタンキ浜
朝のイタンキ浜


 さてぼちぼち用意をして出発。朝の柔らかな光の中、緑豊かな海岸線の丘陵地帯を走って地球岬を目指す。 「地球」はアイヌ語で断崖を意味する「チケプ」に由来するのだそうだ。ちなみに岬からは水平線が丸く見えるらしいので「地球岬」でもそれはそれで意味が通じてしまう。 センスの良い当て字かと。
 まずはユースを出てすぐにある潮見公園の展望台に登り朝のイタンキ浜を眺める。白い並が砂浜に寄せては返している。地球岬を見た後にイタンキ浜に戻り鳴り砂海岸を 歩いてみる予定だ。
 さて地球岬に向けて出発だ。室蘭ユースのある丘陵を眺めながら緩やかな登り坂を登る。気温は高くたちまち汗だくになる。 湾岸の工場群も既に朝の操業を開始した模様で青空に白い煙を吐き出している。

湾岸の工場群
湾岸の工場群
林の中を突っ切る
林の中を突っ切る


 地球岬へと続くこの丘陵の道は交通量も極めて少なく民家と民家をつなぐ地元の人たちの散歩道といった感じだ。 時折林の中を突っ切ったり、見晴らしの良い高台にぶつかってみたりでなかなか変化に富んだ道で面白い。

見晴らしの良い高台
見晴らしの良い高台
地球岬への案内板
地球岬への案内板


 地球岬への案内板に従い先を進むと、やがて背の低い植物が誰に手入れされたわけでもなくきれいに生えそろっている地帯に抜け出る。 きっと海からの強風に耐えられるようにこの地帯に群生する植物は背丈を低くして防御しているのだろう。
 こんもりと丸みを帯びながら水平線へと消えていく緑の先には断崖絶壁の海が広がっているに違いない。 山の尾根にも似た景色に感動し何度も自転車を停めては写真を撮る。
車は来ない、適度にアップダウンがある、景色が良いという要素を兼ね備えているので、サイクリングコースとしても絶賛されるべき道だ。

山の尾根にも似た景色
山の尾根にも似た景色
切り立った崖
切り立った崖


 やがて切り立った崖が視界に入る。尾根のような朗らかな風景とは正反対の荒々しい風景だ。そのコントラストが面白いのだが。 北海道の海岸線はこういう断崖絶壁が多いらしい。というのは確か今朝の朝食時の電車男君のうんちくだったような。。。何故かは聞かなかったな。
 とにかくやたら断崖絶壁が見渡せる場所に観光名所っぽく案内板なんぞがあるので立ち寄ると「トッカリショ」という観光名所だった。 岩が尖っているからトッカリショなのかと勝手にイメージを持ったが、案内板によると「トッカリショ」(アイヌ語)=「アザラシの岩」とのことだ。 昔はこの岩場にアザラシが寄り付いたとのことだ。

トッカリショ
トッカリショ


 さて地球岬まであと少しという所から急坂があり体力をすり減らしながらようやく展望台に到着。先着ライダー、一般観光客もいる。 ぜえぜえと息を切らせているのはオレだけだわな。汗だく。
 やあやあ我こそはわざわざ今日の目的地と逆方向に10kmも自転車で走って見に来てやった者ぞ! 地球岬よ、その水平線が丸く見えるという姿をいざ見せい!
意気揚々と展望台に近づくと・・・なんか海ガスってますけど。てか真っ白。ちょ・・・ちょっと待って、これは目の錯覚だ。
展望台の階段をあがればそこからは青い海と白い雲のコントラストが見えるはずだ!
などという大本営発表のような勝手理論で展望台へ。
ガ〜ン。灯台以外本当に何も見えない。え〜そんなの聞いてないんですけどぉ〜。 てかこれじゃ、初日の夜ラップランドのオーナーが言ってた、「曇ってる時に行っても灯台しか見えないから時間の無駄だよ」って状態なんですけど〜。 やってられっか、バカヤロウ。ケッ。

地球岬、灯台以外何も見えない
地球岬、灯台以外何も見えない
空は晴れているが海上は霧がすごい
空は晴れているが海上は霧がすごい


 不満たらたらで自転車に戻ると、岬を見終えたライダーがいたので会話。
「バイクなら曇ってたしかたね、ですむかもしれんが自転車だとショックでけー。」
と言ったら
「逆にあれはあれで良かったですよ〜」
などと強がり出したので、はいはいそうでっか。 晴れてナンボでしょ。やぱ。

鳴り砂海岸へ

 徒労感を思いっきり剥き出しにし地球岬を後にする。かれこれ1時間ちょっとかけて来た道を引き返す。まじへこむんですけど・・・。 相変わらず景色の良い稜線のような道がせめてもの救いだ。

稜線のような道
稜線のような道
霧に煙るイタンキ浜
霧に煙るイタンキ浜


 帰りの方が下りが多かったのか行きよりもだいぶ早く室蘭ユースホステルの近くまで戻ってこれた。これから鳴り砂海岸へ向かう。 長い下り坂を降りてイタンキ浜に到着すると海から立ち込める猛烈なガスであたり一面真っ白になっていた。
 太陽の光が完全に遮られ辺りは薄暗い。何とも殺風景だ。
 なんだよこりゃ。朝は晴れてたじゃないか。
何かついてない。でもこうなりゃもう意地で鳴り砂海岸で鳴り砂を体験してやる。
砂浜沿いの遊歩道を自転車で行ける所まで進み、終点で自転車を停めて砂浜へ足を踏み入れる。 鳴り砂が体験できるエリアはさらに奥の砂浜なのだそうだ。

鳴り砂海岸
鳴り砂海岸


 この辺りだろうか。気合を入れて砂を踏んでみる。おら鳴れ。
ところがザッパ〜ンと打ち寄せる波の音にかき消されてまったく聞こえない。鳴っているのか鳴ってないのか。 個人的には鳴っていると思いたい。観光名所2連敗は避けたいのだ!
でも鳴ってないな。どうやら。そういや室蘭ユースの管理人が「乾いている白い砂じゃなきゃ鳴らない」と言っていた。 砂に混じった石英がこすれあって音が出るとのことだ。
 辺りの砂を見ると何か霧で湿っぽいんだよな。残念。
あきらめきれず散歩中の地元のじいさんにどこが鳴るのか聞いてみた。
 じいさん曰く「黒い砂が鳴る。」
おっと新見解。ユースの管理人と違う見解じゃねーか。
黒い砂の中に混じった鉄分がこすれて鳴るのだそうだ。ちなみに昔は(多分戦時中じゃね?)この辺の砂鉄を製鉄所に運んで鉄を作り出していたこともあったらしい。 歴史の重みがある見解なのでじいさんの勝ち。黒い部分を重点的に踏む。でもやっぱ鳴らない。。。嘘つき。

 あー時間を無駄にした。天気も悪っ。まあここからは淡々と苫小牧を目指しまっせ。
ローソンで水分補給を済ませ、海沿いの国道R36をひたすら苫小牧方面に走る。
 海から流れてくる霧は一向に晴れることはなく、ついには完全な曇り空となってしまった。右手に見えるはずの海も視界がきかずほとんど確認できない。

ローソンで水分補給
ローソンで水分補給
室蘭本線の短い電車
室蘭本線の短い電車


苫小牧へ

 R36は交通量が多く、しかも大型トラックが多いので道幅は狭くはないものの決して走りやすい道路ではない。
道の左手には室蘭本線が平行して走っており時折数両編成の短い電車を見ることができる。
 写真を撮るために立ち止まることもなく淡々とペダルを踏み込む。1時間ほど走ると登別市街に到着した。登別は温泉地として有名である。 温泉オンチな私でさえも一応名前くらいは聞いたことがあった。ちょうど昼時だしここを過ぎるとまたしばらく市街地を通らないのでここで昼飯にする。
 とりあえずR36を右折し登別の駅前へ行ってみる。何かしら食事処があるだろう。登別の駅前に出てみたがほとんど人っ子一人いない寂しい状態。

棍棒を抱えた赤鬼
棍棒を抱えた赤鬼
登別駅
登別駅


棍棒を抱えた赤鬼の像もどこか虚勢を張っているように見えてしまう。もっとも登別の温泉街は駅からはかなり離れた所にあるのでそっちの方はにぎやかなのだろう。
 駅前にあるこジャレた喫茶店で豚丼を食べあっという間に昼飯終了。それにしても天気も悪いし人も少ないので何となく気分が沈むなあ。

豚丼で昼飯
豚丼で昼飯


 登別を過ぎると海産物の直販店が点在し始める。しかしここら辺は特に有名な漁港があるわけでもなく上物の海産物は期待できないだろう。 店構えもどこか古めかしくお客が入ってそうにない店が多い。
 しかしそんな中活気付いた1件の直販店を発見。店の屋根に大きな熊や鮭のオブジェがあり否応無しに目立つ。とりあえず中をのぞいてみるか。

店の屋根に大きな熊や鮭のオブジェ
店の屋根に大きな熊や鮭のオブジェ
海産物の直販店
海産物の直販店


大きな駐車場には観光バスが何台も横付けされており多くの観光客がワイワイガヤガヤと店の中に入っていく。
 しかしどうも中国人か韓国人の団体客らしく言葉が聞き取れない。考えてみれば日本人がわざわざこんなマイナーなルート上にある海産物店を見学したりしないものな。 つまりは外国人(中・韓)向けのツアー旅行の経由地点になっているようだ。彼ら海外旅行ということではっちゃけてて楽しそう。

店内にあるカニ
店内にあるカニ
ホタテとイカの焼き物
ホタテとイカの焼き物


 店内にあるカニとかを一通り見てから、屋外にあるフードコーナーでホタテとイカの焼き物を食べてみた。ちょっと・・・なお味。
ところでさっきから店内に流れている曲がどうも中国の歌っぽい。まじかよ・・・。とにかく金を落としてくれる人が神様というわけかあ。
 詳しくは知りませんが、今や中国・韓国人が日本に観光旅行で落としていく金もすさまじいのでしょうなあ。

単調なR36沿いを走る
単調なR36沿いを走る
左折して室蘭本線の踏切を渡る
左折して室蘭本線の踏切を渡る


 さて再び単調なR36沿いを走ります。いい加減この景色にも飽きてきたので左折して室蘭本線の踏切を渡り、国道と平行して走る道を行くことにした。 交通量はグンと減り走りやすい。広々とした空き地や、切りそろえられ山積みになった丸太を見ながら今日の最後の観光ポイント、ポロトコタンに向かう。

交通量はグンと減り走りやすい
交通量はグンと減り走りやすい
広々とした空き地
広々とした空き地

山積みになった丸太
山積みになった丸太


 程なくポロト湖に到着。ポロト湖畔にはアイヌの暮らしぶりを再現したアイヌ民族博物館がある。 そこでは、ポロトコタン(アイヌ語で「大きい湖の集落」)が再現されている。入り口に自転車を停めていざ入館。
しかしみなさん、気をつけてください。入り口からしばらくはアイヌのお土産売り場がずっと続いています。 ちょっと興味を持とうものならたちまち商売上手なおばさんたちが寄って来て熱心に商品を勧めてきます。 私もちょっといいなと思った木彫りの熊(鮭くわえてるやつ。もちろん自転車で運ぶのでちっこいサイズ。)を買ってしまいました。

ポロトコタンの入り口
ポロトコタンの入り口
アイヌのお土産売り場
アイヌのお土産売り場


 お土産コーナーを抜けゲートをくぐるとようやくポロトコタンだ。いきなり目の前に現れた巨大な像。コタンコロクル(村長)像だ。おめ顔怖え〜よ。
そして檻に入った北海道犬やヒグマを見る。そういえばヒグマを見たのは人生初。以外に小さいな。いや体長はそこそこあるのだろうが、思ったより痩せている。 これなら時速60km/hで走るという話も頷ける。

コタンコロクル(村長)像
コタンコロクル(村長)像
北海道犬
北海道犬

ヒグマ
ヒグマ
アイヌ様式の家
アイヌ様式の家


 湖沿いに建てられたアイヌ様式の家を見たり、ポロト湖を眺めてみたり、博物館を見学したりであっという間に1時間くらい経ってしまった。

住居に入ってみる
住居に入ってみる
天井から鮭が吊るされている
天井から鮭が吊るされている

ポロト湖
ポロト湖
博物館を見学
博物館を見学


 4時過ぎポロト湖を出発。苫小牧に6時頃には着きたいので少しペースアップ。再びR36に出る。先ほどよりも霧が濃くなっている。 視界がせまい。当然車からも認識されないので車道への大きなはみ出しは危険だ。ここは走りに集中しよう。
後ろからはブオ〜ンとうなりをあげてトラックが追い抜いていく。通り過ぎた後にものすごい風。こわっ。ふらつかないように気合を入れてペダルをこぐ。

再びR36に出る
再びR36に出る
左手に牧場が点在
左手に牧場が点在


 社台のあたりでは左手に牧場が点在したが視界も悪く辛うじて馬が見えるくらい。青空に草のみどりが映えるのどかな牧場の風景とは程遠い。
苫小牧の郊外に入った辺りでR36を離れ道道781を走る。この道もまた走りづらい。3車線あるために路肩が狭くなっている。車優先クソ食らえ。
 そして目的地までの距離もなかなか縮まらない。連日の遠乗りで疲労も出てくる。唯一の救いは天気が回復してきたことだ。 ようやく霧が晴れ薄っすらと青空が見え始めた。

薄っすらと青空が見え始めた
薄っすらと青空が見え始めた


 道道を離れGPSを頼りに市街地の路地を走る。セイコーマートで今夜の水分を調達し、今日の宿、苫小牧市サイクリングターミナルを目指し最後の一踏ん張りだ。 苫小牧駅前から続いている大通りを北上すると左手に緑豊かな公園が現れた。サイクリングターミナルはこの公園の敷地内にある。
 緩やかな登り坂の先に木々に囲まれた宿泊施設があった。看板に苫小牧市サイクリングターミナルとある。ようやく到着だ。

苫小牧市サイクリングターミナル
苫小牧市サイクリングターミナル
部屋も一人で使うには十分すぎる広さ
部屋も一人で使うには十分すぎる広さ


 フロントへ行くと到着を待ってましたとばかりに、ワイシャツにネクタイ姿の市職員がにこやかに対応してくれる。 自転車を車庫に運びフロントで宿泊手続きをする。今日の宿泊者は何と私一人とのことだ。 明日からは合宿の団体客で9月まで空きがないそうなのだが。ついてた。
「お風呂も沸いてますのでゆっくりくつろいじゃってください。」
 部屋も一人で使うには十分すぎる広さでこぎれいにしてあり良い。荷物をぶん投げてごろっと寝転がる。ふー疲れた。

 風呂も清潔そのもの。施設維持費に糸目をつけていない苫小牧市の姿勢がうれしいじゃないか。
すっかり汗を落として夕食だ。50人は入れるだろう大きな食堂で一人夕食。少し寂しい。寂しさを紛らわすため?アルコールでテンションをあげる。 ほんと北海道はビールがうまい。風呂上りの1杯が何ともたまらん!
 夕食のメニューも刺身、ステーキ、煮魚・・・と中々豪華。正直市営の宿泊施設なのでもっと淡白な食事なのかなと思っていたが予想を裏切る豪華さ。

大きな食堂
大きな食堂
中々豪華な夕食
中々豪華な夕食


 それでもってこの施設は洗濯設備も充実している。そりゃ合宿用の宿泊施設だから当然かもしれないが。 洗濯ルームがあって最新の洗濯機が4台。乾燥は乾燥機ではなく乾燥室で行う。これなら回転式乾燥機使用不可のレースジャージも乾燥できる。 一気に洗濯するぞ。

 洗濯をしていると宿の管理人の方が話しかけてきた。去年まではこの施設の宿泊料金が1,000円安かったのだそうだ。
それを今年泊まるオレに言ってどうする?オレが1,000円損したみたいになるじゃねーか。
なんてね。この管理人さん気さくでいい人でした。
後で会った時に気を遣ってパチンコの景品のお菓子をくれました。

 管理人とのやりとりを除いては今日は静かな夜だ。 携帯でブログを更新してから就寝。