牧丘町から乙女湖へ
先週の大山阿夫利林道ツーリングは、久しく忘れていた新緑の匂いや気持ちのよい風を思い出させてくれた。やっぱり自転車ツーリングは素晴らしいな、と心から思った。なので、今週も是非どこかにツーリングに行こう、と週初から決めていた。
先週のツーリングは、いわゆる試運転で、峠を制覇する、とかそういった目標はなく、とにかく自転車に乗ることが目的だった。今週はもう少し達成感のある目標を決めよう、と平日からウェブを見て候補を検討していた。そして、ロボさんのページを拝見中、なぜか「大弛峠」に心惹かれてしまった。標高2360mの峠だ。どう考えても無謀なんだが・・・。私の悪い癖でいったんこうと決めたらテコでも動かない。自分でも困るんだが。ま、仕方ない〜。今週は大弛峠チャレンジだ。
今回も車輪行。早朝に自宅を出発し、大弛峠の山梨側の麓の「道の駅花かげの郷まきおか」に8時半ごろ到着。
自転車を組み立てていると、駅内のスピーカからZARDのベストアルバムが流れてきた。「負けないで」とかはヒットしていた当時陸上競技をやっていた私にとって応援歌的存在だったような記憶がよみがえる。今日の峠越えの際にもまた応援歌になってくれることだろう。
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道の駅花かげの郷まきおか
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夏を思わせる真っ白い大きな雲
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そうこうしているうちに組み立て完了。朝のまぶしい光を浴びながらいざ出発。まずは朝食調達だ。道の駅から道一本挟んだ向かい側にあるデイリーストアに行き、おにぎり3つ、カロリーメイト(4本)1箱、500mlペット2本を購入。おにぎり一つをここで食べる。
振り返ると、夏を思わせる真っ白い大きな雲が山の上にぽっかりと浮かんでいる。
さ、あらためて出発進行。峠への道順はいたって簡単。道の駅の前を走るR140を少し南下してから、峠へと続くr210に右折していくのだ。GPSを見ながら慎重に右折地点を探し直進を続ける。
と、前方にトンネル発見。右折地点はまだだ。トンネルを抜けた辺りなのかな。トンネルに進入。GPS電波がいったん途切れる。トンネルは長い下り坂になっている。やっと抜ける。大きな道路標識がある。右折方向にある地名に違和感を感じる。あれ、この道じゃないな。GPSの電波が復活。あれ〜!行き過ぎだ!最悪!!回り道もなさそう。しっかたねーなー、結構下ってきたあのトンネルを引き返すか。
ようやくトンネルを抜け今度は間違えずに左折。小さい道で、トンネルの上の道への巻き道になっていた。これじゃわかりづらいわな。ま、ともかくここからが本格的なスタートだ。
山に向かって、真っ直ぐな登り坂が続く。陽射しは強烈でたちまち顔から汗がポタポタとしたたる。山の上の方には大きな雲がもくもく沸き出ている。峠の天気は良くないのかな。
道の左右にはぶどう畑が広がっている。家紋の入った蔵が目を引く。このあたりの地主の家なのだろうかとか勝手な想像をして楽しむ。実の成っていないぶどうの房に何やら作業をしている地元の人が目立つ。
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真っ直ぐな登り坂が続く
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家紋の入った蔵
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ぶどう畑
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この間、ずっと7%程度の登りが続いている。九十九折のある峠道と違い、ずっと直線の登りって、結構むちゃくちゃな坂道といえる。脚はすでにぱんぱんだ。右側の景色はだいぶ山深くなってきた。振り返ると、登ってきたぶどう畑が遠くまで連なって見える。休憩を挟みながらキコキコと坂道を登り続ける。
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だいぶ山深くなってきた
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ぶどう畑が遠くまで連なって見える
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やがて牧丘町の町内から離れ、あたりの景色は一変する。濃い緑の木々や、新緑の淡い緑の中を進む。木陰に入り空気が冷たく感じる。たまに車が通るくらいの交通量の少ない道だ。
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濃い緑の木々
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新緑の淡い緑の中を進む
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少し見晴らしの良いところに出た。曇っているものの、遠くの町が小さく見え、だいぶ登ってきた感じがする。脚もだいぶ売り切れに近い。しかし、ここからあと1000m以上標高を登っていくことになるのだ。ちょっと先を見るとぐねぐねとした登りが続いている。ふー。
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少し見晴らしの良いところに出た
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ぐねぐねとした登りが続いている
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気を取り直してその坂道を登る。見た目よりも登ってみるとたいしたことのない坂道だ。やがて道の右側に水場が現れた。新鮮な雪どけ水だ。顔でも洗おうか。しかし、ポリタンクを持った先客がず〜〜〜っとくみ続けているものだから待っている間に汗が冷えてしまって、結局顔を洗わずじまいで先を急ぐ。
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登ってみるとたいしたことのない坂道
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新鮮な雪どけ水
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ここで腹が減ったので、家から持ってきたパンを食べてエネルギー補給する。
再び坂道を登る。度重なる伸縮運動に、太ももの筋肉が悲鳴を上げている。何とかだましだましゆっくりと登り続けると、やがて乙女湖というダム湖に到着した。出発以来ずっと登りだったがここからいったんちょっとした下り坂になる。この辺りが今日の行程の中間点となる。下り坂を思い切り飛ばして、分校前を駆け抜ける。道路標識に大弛峠まであと15kmとある。ここまでも相当苦しんできたけど、さらにこの倍かよ。標高も高くなるから空気も薄くなるし大丈夫かな。ま、もうここまで来たら行くしかねーよな。
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乙女湖
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ちょっとした下り坂
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乙女湖から大弛峠へ
いよいよ本格的な林道へのゲートをくぐり、標識で大弛峠までの残り距離のカウントダウンが始まった。ゲートを抜けるとしばらく川沿いの道が続く。登り勾配はきつい。あ〜脚がだるい!
右手に溶岩の塊のような岩肌が見える。「牧丘の千貫岩」というものらしい。そういえば、ちょっと前の「鉄腕ダッシュ」でやっていたが、溶岩の周りには化学反応を起こし宝石の原石になったものが数多く残っているとか。良く見ると、辺りには許可なく採掘を行うな、との注意書きがある。さらにこのあと、頂上付近で明らかにトレジャーハンターな人々に出会った。本当に宝石があるのかぁ。
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林道へのゲート
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牧丘の千貫岩
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川沿いの道
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一つ二つと強烈な登り坂をこなして、ちょっと休憩。おにぎりを手のひらに乗せ犬食いする。止まると汗が冷えて相当に寒い。もう標高もかなり高いのだ。むさぼるようにおにぎりを食べてから、ウインドブレーカーを着込み、登坂を続ける。
あれ、何だか足が軽いぞ。体力が復活したのかな。いや坂の勾配が緩やかになったみたいだ。ぬか喜びは禁物だが、しばらく走っても緩やかな勾配の道が続く。GPSの標高も1700mを指し示し、あたりの景色もだいぶ高原らしくなってきた。やがて景色が開けて遠くの山並みが見渡せる場所に出た。
この辺りで、折りたたみ自転車に乗った若いにいちゃんがひょいっとオレを抜いていく。あれー。元気だな。あの軽装は、車である程度登って途中から自転車だな。麓から登ってねーなー。いや、別に自転車は苦行じゃないんだから麓から登る必要はないんだけどね。体力に自信のない方はこの緩やか区間だけを走っても良いかもしれない。高原のような空気、良い景色はお勧めだ。
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高原らしくなってきた
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景色が開けて遠くの山並みが見渡せる
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峠まであと10km。あいかわらず、緩やかな登りなのだ。頼むからこのまま頂上まで着いてくれ〜。いや多分無理なんだろうけど。しばらく進むと案の定再び急勾配になってきた。太ももに乳酸がたまりまくりで、いかんともしがたい苦しさだ。うう。そして、標高も高くなってきて酸素が薄くなり息が切れる。あたりに白樺が目立ち始めた。
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峠まであと10km
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白樺が目立ち始めた
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ほぼ1kmごとに休憩を挟む。もう脚が限界に近い。息も切れるし苦しくてどうしようもない。でももう少しだ。頑張れ。
いよいよ標高が2000mを超える。あちこちに雪が残っている。気温もぐっと低下し、登っていても汗をかくこともなく、寒い。
カーブを曲がると「ピィ〜〜〜」という甲高い鳴き声とともに、2頭の鹿が林の中にぴょんぴょんと逃げていった。
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脚が限界に近い
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雪が残っている
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そしてようやく残り1kmまで到達。最後の力を振り絞ってなんとか峠に到着。はぁ〜。ほんと疲れた。
山頂にはたくさんの車が停められている。車で登れる2000m級の山というのもそうはない。大弛峠は体力のない人でも高山の雰囲気を楽しめる貴重な存在なのだろう。
山頂からちょっと歩いたところに展望台があるということを家に帰ってきてから知った。今日は曇っていたので、展望台まで行ったところで良い眺めは期待できなかっただろう。山頂に停められた車の中にいたおっちゃんが、オレを見て興味深そうに話しかけてきた。「・・・やるだよ。」。久しぶりに聞く甲州弁。
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残り1km
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峠に到着
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山小屋付近
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山頂の案内板
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頂上でおにぎりを1つ食べ、冬用ジャージ上下を着込み下山準備。下りに入る。いきなりすごいスピードが出る。やっぱり結構な勾配だったのだなぁ。登りの時と違って余裕があるから周りが見渡せるな。大きな岩が目立つな。噴火で飛んできた岩なのか。落石なのか。
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下りに入る
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大きな岩が目立つ
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しかし下りは速い。あっという間に水場まで降りてきた。登りの時には気付かなかったが、水場の近くに幹の太い大木がそびえ立っていた。標高が下がると天気が良くなり、青空と白い雲のコントラストが目を引く。遠くの街並みも良く見える。
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幹の太い大木
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青空と白い雲のコントラスト
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遠くの街並み
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2時間弱で麓の道の駅に到着。精も根も尽きた、とはこういうことか。もうばてばて。帰りの2時間超の運転がきついな〜。とりあえず飯だ。道の駅の近くのほうとう屋でほうとう定食を食べて少し疲労回復。脚はだるだるだが、大弛峠制覇という充実感はとても心地良い。梅雨前の最後(?)のツーリングは大成功だった。
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麓の街並み
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ほうとう定食
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