宗谷岬を目指す
稚内全日空ホテルの快適な部屋で6日目の朝を迎える。セミダブルの広々としたベッドから起き上がる。久しぶりに良く眠れたようだ。
バイキング形式の朝食を済ませる。ミルクとバターのうまさは北海道ならでは。まだ6:30なのに人が多い。
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バイキング形式の朝食
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今日は、海岸線を走り、日本最北端の宗谷岬とノシャップ岬を訪れる予定だ。仕度を済ませ外へ出ると、少し雲がかかっているが青空ものぞいている。
さあ出発だ。港に停泊する漁船のすぐそばの道を走り稚内の市街を抜ける。朝の漁港はあわただしく、船へ荷物を積み込むため、船と車を駆け足で往復する人たちであふれている。
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大通りの左手に草むらが広がる
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漁港を抜け、大通りへと合流する。大通りの左手に草むらが広がる。その向こうの海岸線から吹き付ける強い潮風を浴びながら、片側2車線の国道をゆっくりと走る。このR238を海岸線沿いに東に進んだところに宗谷岬がある。
しばらく進むと、草の緑の向こう側に青い海が顔を出した。日本で一番北にある海だ。自転車を停めて一休みする。
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一休みする
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風に吹かれて白い波が寄せては返す。波のザーっという音が風の吹き抜ける音に混じって聞こえる。時を忘れてしばらく風の音に身を任せる。
この6日間日常から離れ北海道の大自然を満喫してきたがその旅もいよいよ今日で終わりだなぁ。充実感を感じる一方で物足りなさを感じていた。
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風の音に身を任せる
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ここからは海岸線を眺めながらのツーリングが続く。向かい風が強いが今日はのんびり行くことに決めている。道端に干してある昆布を眺めたりしてゆっくりと進む。
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道端に干してある昆布
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やがて目の前に小高い丘が現れてきた。丘の上には風力発電用の風車がいくつもそびえ立っている。宗谷岬はあの丘の向こうだろうか。
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セイコーマート
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少しお腹が空いたのでセイコーマートでチョコレートを買うことにした。そういえばセイコーマートの写真を撮っていなかったかな。セイコーマートは主に北海道を地盤とする日本のコンビニエンスストアチェーンである。
さてチョコレートを少し食べて再び出発。海がいっそう近くなる。
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海がいっそう近くなる
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宗谷岬に到着
間宮林蔵が樺太を発見したことに因んだ記念碑を過ぎ、程なく宗谷岬に到着した。さっきまで晴れていたのだがここへ来てあいにくの曇り空。吹き付ける風が冷たい。汗が冷えて寒い。
天気が悪いせいもあるのか、宗谷岬はこれと言って見所のある場所でもなさそうに感じる。それでも三角形の記念碑の前で団体観光客が次々と記念撮影をしている。
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宗谷岬手前にあった記念碑
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お約束の記念撮影を済ませ、昼飯を食える場所を探しに小高い丘の上に歩いて登ってみる。どうやら展望台になっているらしく、素晴らしい景色が広がる。晴れていれば樺太が見えるはずだったのだが。残念だ。
丘の上にあるラーメン屋で、ラーメンではなくホタテ丼と毛ガニ汁を食べる。決して安くはなかったけれど、海産物食わなきゃ損!みたいな感じで注文。うまいうまい。腹も減っていたし、言うことなし。
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ホタテ丼と毛ガニ汁
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食事を終え店の外の広場でまったりしていると、ブルンブルンとバイクのけたたましい音が何だかこっちに向かって近づいてくる気がする。いや明らかにオレに近づいている。何だ、からまれたか?でも手を振っているな。はて?
バイクを停めヘルメットをスッと外す。現れたのは昨日サロベツ原野で会ったライダーだった。
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昨日会ったライダー
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「あ〜どうも!」
「また会いましたね!」
考えてみれば昨日の時点で二人とも稚内に行くと言っていたのだし、稚内にくればまず宗谷岬には来るはずなので、偶然再会という感じでもないのだが、お互いにテンションが高くなってしばらく話し込む。
不思議なもので昨日ちょっと話しただけなのに、すごく懐かしく古くからの友人のような気がする。お互いの旅話に花が咲く咲く。やっぱりユースに泊まっていればこういう出会いが多かったのだろうか、とちょっと後悔したりする。
話の最中に周りの観光客が何やら花畑を指差し騒いでいる。何だろう?見ると可愛らしいキタキツネがテクテクと歩いている。そういえば初キツネだな。パチリ。
別れ際にウニ丼のうまい店を教えてもらう。今晩行ってみようと思う。ライダー氏はもう少し天気が良くなるのを待って樺太を眺めてから稚内市街に戻るという。後で追い抜きますよ、と言われ別れたが、結局その後会うことはなかった。またいつか会いましょう!
稚内市街への帰り道は追い風を受けすいすいと進み、あっという間に市街地に到着した。ブラブラ走り、市街地を抜けると程なくノシャップ岬に到着。小さな公園にある記念碑の前で撮影し、さっき宗谷岬でライダー氏に教えてもらったウニ丼屋をのぞいて見る。
店内は明かりがついていて、音楽も流れているようだったが、閉じられたシャッターには「5時に帰ります」と貼紙がしてある。今は3時過ぎだ。いったんホテルに戻って出直すとするか。
帰りがけにホテル周辺の稚内名物を巡ることにした。まずは「最北端の線路」だ。線路は続くよどこまでも・・・ってどこかで途切れますね、当然。
そして、「北防波堤ドーム」だ。古代ローマ建築を思わせる全長427m高さ13.2mの半アーチ型回廊だ。この場所にはかなり不釣合いな建造物だが・・・。
ウニだけウニ丼
さてホテルに戻り服を着替え、ウニ丼屋に向け再出発だ。GPSやスピードメーターもつけず、移動の足として自転車に乗る。5km位の距離の移動手段としては結構スピードも出るしバスもない田舎では便利な乗り物だ。
ウニ丼屋の「樺太食堂」に着いた。よし、ちゃんと営業しているな。店の裏の壁に自転車を立て掛けて店内に入る。
「いらっしゃ〜い」
明るい雰囲気だ。天井に無数の貼紙が貼り付けられている。「こんなにウニを食べたのは初めて!」とか「また来年絶対来ます!」といったメッセージが書かれている。
「チャリダーさんですか?」
と店主。
「あ・・・はい。」
自転車で来ていたのを見たのだろうか?
「今夜はどこに泊まるんですか?」
どこのユース?どこの民宿?というニュアンスだ。チャリダーが高級ホテルに泊まるとは言えないな。
「あ〜駅の近くに」
とごまかす。
そしておすすめの「ウニだけウニ丼」の大盛りを頼むと、店主が厨房に向かい
「チャリダーさん、ウニだけウニ丼大盛りで〜す!」
何故にチャリダーを強調??と思っていたらステッカーを持ってきて、
「はい、これチャリダー、ライダーの方だけにプレゼントしてるんですよ!特別ですよ!!」
自慢気に持ってきたステッカーにはさほど興味は沸かなかったが、チャリダーを歓迎してくれるのはとにかくありがたいことだ。自転車に乗って汗をかいた人が食堂に来るのを快く思わない店もあるだろうからなぁ。
そしてあふれんばかりのウニが盛られた「ウニだけウニ丼」が登場!す・・・すごい!!すご過ぎる!!ウニがどんぶりからこぼれそうだよぉぉ!!これで3千円は安い!!
お味のほうは・・・
「う・ま・い〜〜〜!!!」
昨日食べたウニとは比べ物にならないぞ〜。これが北海道のウニだろう!!
ほのかに潮の香りがする。噛むととろっととろけるクリーミーで甘い味だ。
相当な量があるけれど、半分はぺろっと食べれた。後半分はちょっと頑張らないときつそうだ。
近くの座敷席で、「もう動けね〜」と寝転んでしまったライダーたちを見ると、ちょっとびびる。
でも、うまいから食えちゃうな。腹がパンパンになったが完食。あ〜幸せ。稚内に来たら絶対おススメの店である。
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すっかり暗くなっていた
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外へ出るとすっかり暗くなっていた。今夜が最後の夜なんだな〜。今回のツーリングはホント良く走った。足の筋肉痛も勲章のようですらある。
静まり返った稚内の夜景をかみしめるようにホテルへと自転車を走らせた。