4日目 電車の旅
4日目 電車の旅
部屋に射し込む眩しい朝陽で目覚める。今日は快晴だ。昨日までの霧交じりの天気がうそのように空は青く晴れ渡っている。
今日は摩周駅から旭川駅までのんびりと電車の旅を楽しむ予定だ。手短に朝の支度を終えると、民宿のおやじさんの車で
摩周駅まで送ってもらう。
駅までの短い時間、おやじさんと会話を交わす。言葉の端々に
最近の観光客について色々と思うところがある様子を感じさせる。
民宿経営者としての立場からは、キャンパーやツーリストが訪れることはうれしいが、皆、上下水道完備の施設にしか泊まらないので
寂しいという。大自然にもっと触れて欲しいそうだ。
その一方で北海道の自然が観光客によって破壊されていることを心配していた。
「知床は世界遺産に指定される見通しだから大丈夫」と話したときのホッとした表情が忘れられない。
本当に自然を心から愛している人なのだと思った。
摩周駅でおやじさんと別れる。天気は良いがとにかく暑い。まだ朝の9時過ぎだというのに焼け付くような陽射しだ。

摩周駅
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摩周駅前
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駅前の駐輪場に停めてあったMTBの無事を確認し、輪行袋にパッキングする。日陰がみつからず、やむなく日なたでのパッキング作業となった。
強い陽射しが前かがみになっている私の背中から容赦なく照り付けてくる。首の後ろの辺りがじりじりと焼けている。
ビニールの輪行袋も陽射しをうけて熱くなっており、溶け出しそうな勢いだ。
ようやくパッキングを終えると、MTBをかつぎ駅舎の中に逃げ込むように入る。アクエリアスを飲みながら小さな待合室で、
大きなリュックを背負った登山客らとともに電車を待つ。
森を抜け摩周駅のホームに姿を現した電車を見て驚いた。車両が1両しかない。電車というよりバスといった感じだ。
狭いドアから中へと入り、最後尾の運転席後ろのスペースにMTBを立てかける。本数が少ないせいか乗車率は高い。
窓の外の景色をカメラにおさめる人が多く見られる。私も負けじとシャッターを切りまくる。

1両編成の電車での旅
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広々とした景色が続く
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電車は摩周の山々を越え北へと走る。しばらくは左右が林に囲まれていたが、摩周湖と屈斜路湖の間の峠を越えた辺りから、
景色が開けてきた。
広々とした畑が多くなってきた。知床半島の玄関口である、斜里町に入った。

斜里町の風景
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北海道らしいのどかな景色
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目の前に広がる畑は広々としていて北海道を感じさせる。電車はさらに北上しオホーツク海へ向かう。
車内は空席が目立ちだしたが、私は座らずに、最後尾のスペースでMTBを守りながら、必死にシャッターを切っていた。
これまでは、自転車での余裕のない旅だったので写真があまりとれていなかった。
目の前に真っ青なオホーツク海が広がってきた。この先の網走がこのローカル線の終点である。
網走からは特急列車で一気に旭川を目指す。
電車はオホーツク海沿いをゆっくりと進み、やがて網走駅に到着。昼時なので、ここで飯を食っておこうと思う。

オホーツク海が見えてきた
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網走まで海岸線を走る
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MTBを駅事務所に預け、手荷物をコインロッカーにしまい、店を探索。とりあえず、駅前のモニュメントの前で写真を撮り、
大通り沿いを進む。あまり、店はない。あやしいラーメン屋、古びた丼物屋、といった感じ。あまり、のんびりするほどの時間もないし
やはり頼れるはコンビニ。というわけで、駅前のローソンでジャンクフード三昧。ベンチで食べていると、一人旅の女性が駅弁をうまそうに食っていた。
しまった。その手があったか。ちょっと後悔。
さて、腹ごしらえも終え、あとは旭川まで特急でひとっ飛びだ。といっても4時間かかるけれど。。。まずは美幌峠を越える。
本来、自転車で越えるべき峠だな。いつかリベンジしたい。電車はさらに北見の山脈を越える。

網走から美幌峠へ向かう
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山地を過ぎると田園風景が広がる
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山地を抜けると田園風景が広がる。道東とは違った、人の気配の感じられる風景だ。列車の乗客にも出張帰りのサラリーマンが見られる。
この旅に出て初めて、日常を意識してしまった。自然から都市へと戻ってきたのだ。
旭川には午後5時頃に着いた。まずは泊まる場所を確保したい。キャンプ場もあるにはあるが今日はなんとなくホテルに泊まりたい感じだ。
MTBに乗ってホテルを探す。夏休みの真っ只中で、どこのホテルも満室のようだ。
ようやく見つけたのは、1泊2万円の高級ホテルのツインルームだ。