1日目 ホテル
1日目 ホテル
イトーヨーカ堂の通りを道なりに進むこと20分。ようやくJR根室本線の線路にぶつかった。線路に向かって右手に釧路駅を発見。
今私がいる駅北口は、小さな商店街や駐車場などが多く、駅前にしては寂しい感じだ。果てしなく続く直線の線路の上空をウミネコが舞っている。
駅舎自体も素朴で、夕陽に照らされたその姿は、北国の駅にふさわしい哀愁を漂わせていた。
線路を挟んだ南側に背の高いホテル風の建物がいくらか並んでいる。
近くにあった歩道橋を、自転車を担いで渡った。
あれこれ迷うのも面倒だったので、一番駅に近い、「釧路ロイヤルイン」というビジネスホテルに泊まることにした。
まず、空室があるかどうかの確認のため、一瞬、ホテルの玄関前の道路に自転車を無施錠で放置。
空室があることを確認すると、安全な自転車置き場が
あるかどうかを相談。フロントの女性と一緒に駐車場などを見たが、どれも盗難の危険があったので私が却下した。
すると輪行バッグに詰めれば
ホテルで預かってくれるとの申し出があった。ありがたい。しかも、暑いだろうから、袋詰めはロビーでしていいとのこと。他に客もいないため、その辺は融通がきいた。
外へ出て、自転車を引いてロビーへ戻る。ロビー脇に自転車を立てかけて作業開始。他に客がいないためロビーは静まり返っている。
結構な力仕事なので、冷房が効いているとはいえ作業を終える頃には汗だくになってしまった。
ともかく今夜の宿を確保。せまいがこぎれいな部屋へ入ると、安心したせいか、どっと疲れが出た。
しばらくは、ベッドから起き上がれなかった。
6階の部屋からは、釧路駅がよく見える。南口には一応、駅ビルのような2〜3階建ての建物が駅に隣接している。ターミナル付近には時計台のモニュメントがあった。
決して近代的とは言えないその姿が、かえって旅行情緒を感じさせる。
少し休んだせいか、明日から、行けるとこまで自転車で走ってみようという気になってきた。
暗くならないうちに買い物がてら少し駅前を探索してみよう。汗をかいた服を脱ぎ、軽装に着替え街を歩く。
釧路は基本的には漁業の町。朝になれば賑わうであろう市場も、この時間はシャッターが下りていて、人通りも少ない。
ふと空を見上げると、無数のウミネコがニャーニャーと鳴いている。
今日のハチ騒動の教訓として、黒いバッグをやめて、別の色のバッグを買うことにした。
長崎屋でセール品の水色の大きなボストンバッグを買った。
晩飯を食べられそうな適当な店が見あたらないので、ホテルに戻り、いい所がないか聞いてみた。すると今日は、和商市場の屋上で、炉端焼きをやっているそうだ。
地元の町内会のイベントだが、せっかくの機会なので、お邪魔することにした。
3階建ての敷地面積が大きなビルの階段をあがり屋上へ行くと、白い煙が立ち込め、一体どこにこんなにたくさん人がいたんだろう、
と思うほどの人で、にぎわっていた。
ホタテや、ホッケ、エビなどいろいろな魚介類を焼く香ばしい匂いが食欲をそそる。
パラソルの下に、炉端焼きの網が中央に、その周りに4人がけ用のベンチがある。バイキング方式で食べ物、飲み物を買い、ベンチで食べるスタイルのようだ。
パッと見、席が空いてなさそうだ。とりあえず、ビールだけでも飲むかと思い売り場に行くと、店員の若い女性が適当に席を作ってくれた。
ありがたく、4人がけの席に一人でどかっと座り、海の幸を味わう。カキを殻ごと焼いて、殻が開いてきたところを専用の金属の棒で、こじ開けて食べたり、
ホッケ1匹をまるまる網に乗っけて焼いたりと、豪快に食った。

豪快な炉端焼き
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目の前にちょっとしたステージがあり、地元の高校生バンドが曲を披露していた。
ビールを飲んで
上機嫌になっているせいか、まあまあのBGMに聞こえる。
周りはみな地元の人らしく、バンドのメンバーに対して何やら叫んでいる人もいた。
釧路の街にとっては、この行事が夏の1大イベントだったりするのだろうか。
釧路の街には夜遊びができるような繁華街はないが、みな、この場所で、家族・友達とともに夏の夕べを楽しんでいる。
そんな風に考えると、北の漁民の素朴さが感じられ微笑ましかった。